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法隆寺 西円堂 修二会 追儺式

2月3日の節分の夜に、法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町)の西円堂で、息災を祈る追儺式が行われた。

これは、西円堂本尊の薬師如来像の前で2月1日から3日間行われる法要「西円堂修二会」が結願したあと「追儺式」が行われる。

西円堂は、八角宝形造りの円堂で、霊験あらたかな「峯の薬師」といって、一般の信仰が篤い。

この薬師如来は、皇室や国家と関りの深い法隆寺にあって、庶民の信仰に支えられていて、鬼踊りには近郷の村民が群集する。黒(父鬼)、青(母鬼)、赤(子鬼)と毘沙門天の役も付近の村人が勤仕する。この鬼たちは、西円堂の基壇の上で、簡単な踊りのしぐさを行い、松明を振りかざして投げる。そしてその後を、毘沙門天が矛を使って追いかける。その所作で、基壇の上を3回廻る。その投げられた際の火の粉を浴びると、その年、無病息災であるといわれている。

 

修二会は、天平勝宝4年(752)に東大寺の僧実忠が創始したと言われ、これが東大寺二月堂で十一観音の悔過の修法をする「お水取り」である。

法隆寺では2月に西円堂で行われることから「西円堂修二会」と呼ばれ、弘長元年(1261)から始められたと言い、鬼追いもこの時始められたと言います。西円堂本尊が薬師如来(国宝)であることから、薬師如来悔過である。

 

法隆寺西円堂の修二会(薬師如来悔過)
法隆寺西円堂の修二会(薬師如来悔過)