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ハシビロコウ アジア地域で初の繁殖に挑戦 4/23 新エリア”Big bill”オープン

 

神戸どうぶつ王国(神戸市ポートアイランド:園長佐藤哲也)では、新エリア「ハシビロコウ生態園 Big bill(ビッグビル)」が完成し、2021年4月23日(金)より公開されます。

アフリカの湿地帯に生息するハシビロコウは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類(絶滅寸前)に分類さてており、国内では7園13羽しか飼育されてません。希少種を絶やさず増やしていく「種の保存」も動物園の大切な役割。新エリア「ハシビロコウ生態園 Big bill(ビッグビル)」では、ハシビロコウの生育環境であるアフリカ湿地を再現し、飼育下で世界で2例しかないアジア地域初の繁殖を目指します。

この「Big bill」展示場は、クラウドファンディング「花と動物と人との懸け橋プロジェクト」への支援により、先のコビトカバの展示場とともに実現しました。

 

 

新展示場「Bog boll」の模様
新展示場「Bog boll」の模様
新展示場「Big bill」の様子
新展示場「Big bill」の様子

 

新展示場は、もともとの生息地・中央アフリカの湿地帯を再現しており、ハシビロコウの国内飼育では最大級の広さです。ガジュマルやパピルスなど室内であることを忘れるほどの植物が生い茂ります。また雨季と乾季を再現するため季節によって雨が降る設備も整い、緑豊かな大地を故郷に持つハシビロコウの、アジア地域で初めての繁殖に挑戦になります。

 

エリア内には、パピリスと熱帯スイレンをメインとしたアフリカに自生する植物が植えられてます。中でも沖縄から移植してきたパピルス(ハシビロコウの生息地にもはえる)を湿地帯に植え付け、よりいっそう緑が生い茂った自然な雰囲気になっています。湿地帯の中に佇む姿が見られます。

 

「Bog bill」での様子。パピルスに自生する植物が生い茂る。雨は人工降雨で雨季を再現
「Bog bill」での様子。パピルスに自生する植物が生い茂る。雨は人工降雨で雨季を再現

 

「ハシビロコウ生態園 Big bill」概要

 

総面積:1625㎡(テニスコート約6面分)

植物の種類:約40種

主な植物の種類:ガジュマル(高さ5m、2本)  マングローブ(ヤエヤマヒルギ、オヒルギなど)

        パピルス(200株)

 

 

「Big bill」にて    ハシビロコウグッズはNETからも購入いただけます
「Big bill」にて    ハシビロコウグッズはNETからも購入いただけます

「ハシビロコウ」とは?

 

英名:shoebill  学名:Balaeniceps rex

分類:ペリカン目 ハシビロコウ科

分布:アフリカ中央部、南スーダンからザンビアにかけての湿地

特徴:ゆったりとした動きで、しばしば彫像のように動きを止めるため。「動かない鳥」として知られます。動かない理由は、待ち伏せ型の狩りをするからです。巨大な嘴を持ち、嘴を打ち合わせて音を出す”クラッタリング”を行います。

 

ボンゴ(オス)

 

年齢:推定8歳

体重:約6~7kg   体高:約140cm

性格:気分屋

 

マリンバ(メス)
マリンバ(メス)

マリンバ(メス)

 

年齢:推定5歳

体重:4~5kg  体長:約130㎝

性格:怖がり

 

ハシビロコウの繁殖

 

農薬や工場排水の大量流出などによる環境汚染が進み、生息地の破壊という人的理由から野性での生息数が減少しています。野性での繁殖期雨季終わりと言われてますが、飼育下の情報が少ないのが現状です。動物園・水族館は希少種を絶やさず増やす「種の保存」も大きな役割ですが、ハシビロコウの繁殖は大変難しく、世界でも動物園での繁殖はベルギーで1例(2個体)、アメリカで1例(1個体)の2例のみしか成功しておらず、繁殖に関するデーターも少ないそうですので、今回の繁殖に成功すると画期的なものとなります。

 

ハシビロコウのほかにも、ベニヘラサギ、シロクロゲリ、ベニハチクイなどが仲間入りしていますので、ぜひ同時に見つけてみてください。

ベニハチクイは、関西で初めての展示となります。

 

ベニハチクイ (関西初)
ベニハチクイ (関西初)
ベニヘラサギ
ベニヘラサギ
シロクロゲリ
シロクロゲリ