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洋画家・岸田劉生の作品 新たに一括して42点収蔵 報道陣に公開 京都国立近代美術館

 

記者発表会の模様

 

 

京都国立近代美術館(京都市・岡崎公園)は、夭折の洋画家・岸田劉生(1891~1929)の作品42点を新たに一括収蔵し、19日、報道陣に公開された。これだけ多くの、初期から晩年、各領域を眺めることができる、岸田劉生のこれだけの一括収蔵は初めてである。劉生初期の代表作《外套着たる自画像》から晩年の《大連星ケ浦風景》の各時代の画風をそろえ、劉生の生涯の創作全体を眺めることができるだけでなく、自画像・肖像画・宗教画・風景画・静物画・風俗画(芝居絵)といったさまざまなジャンルを網羅。劉生の画業を知る貴重な作品コレクションとなっている。

愛娘・麗子をモデルにした作品として名高い《麗子裸像》、日本古来の「デロリ」とした美を表現した《舞妓図(舞妓里代之像》「内なる美」を探求した静物画の名作《壺》、《壜と林檎と茶碗》、晩年の作品《大連星ケ浦風景》は、武者小路実篤が「劉生自身の味がぴったり出ている」と言われたように、風景画の中で最も高く評価されてきた。

今回の新収蔵により、京都国立近代美術館所蔵の岸田劉生の作品は約50点となり、一般に、新収蔵作品のお披露目を兼ねて、2022年1月末より、新収蔵記念「岸田劉生と森村・松方コレクション」を開催し、京都国立近代美術館が所蔵する岸田劉生の全作品が公開される予定である。

 

手前《麗子裸像》1920(大正9)年 水彩・紙 他
手前《麗子裸像》1920(大正9)年 水彩・紙 他
《自画像》1928年(昭和3)8月 鉛筆・水彩・紙と奥《舞妓図(舞妓里代之像》19286(大正15)年1月28日 油彩・板
《自画像》1928年(昭和3)8月 鉛筆・水彩・紙と奥《舞妓図(舞妓里代之像》19286(大正15)年1月28日 油彩・板