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湊川神社 御火焚祭

12月8日(日)、湊川神社(神戸市中央区)の楠本稲荷神社で御火焚祭が行われました。

 

 

 

元々は陰暦11月に行われていて、湊川神社では旧暦11月に当たる12月に行われています。(京都では11月が多い)

 

これは古くからお火焚きであり、霜月の収穫祭として行われていて、収穫を守ってくれた祖霊への感謝と鎮魂であると考えます。鎮守・氏神の祖霊を霜月に祭ったことにあるようです。宮廷では、祖霊である天照大神を内侍所神楽で祭り、庭煤を焚くのもそのためではないかと考えます(賢所御神楽・12月15日)。

祖霊は少しの穢れや罪にも祟りやすく懲罰を民にするため、その荒魂を祓い清め、舞や火をもって荒魂を鎮めたのではないでしょうか。

 

11月に入ると、京都などでは、多くの寺社でお火焚きの煙があちこちに立ち昇ります。

そして京都近郊の農村部では「狐施行」といって、老人がお稲荷のお塚に油揚げやお洗米をあげにいったという記録があります。稲荷であるのは、初午の日に山の神をお迎えして耕作を守ってもらうのと同じく、田の神を送って山の神として鎮まってもらう祭だからではないかと考えています。これがはっきりわかるのが伏見稲荷神社で、お火焚きでは五穀豊穣を感謝するとともに、お火焚串を焚き上げ、罪障消滅、万福招来を祈ります。そして庭煤の灯りの中で「人長舞(にんじょうまい)」が舞われます。

また、お火炊きは太陽の光が最も弱まる冬至に近い日に、その復活を願って行われるということもあるかもしれません。

 

 

ともかくとして陰暦11月に社前において火を焚き、祝詞や神楽でもって神意を慰めるものです。

 

湊川神社では、神前で、宮司祝詞のあと神楽(鈴扇舞)が舞われたあと、湯立神事があって清めが行われ、お火焚きが行われて無事息災を祈りました。

お火焚のあとは参列者に善哉が振舞われました。

 

 

湊川神社お火焚神事  過去記事

 

鍛冶屋の鞴(ふいご)祭りなどが行われることもあります。 過去記事