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嵯峨嵐山 斎王行列

秋の嵯峨嵐山を彩る斎王行列約100名が、21日、京都市右京区の野宮神社を出発して竹林や渡月橋を練り歩き、観光客を魅了した。

地元の斎王行事保存会が主催し、1999年に専門家による監修で再現して開催以来、今年で20回目の区切りとなる。

今年の斎王代は京都ノートルダム女子大学1年 中西紗菜さん(18)で、料理旅館「花筏」(京都市右京区)経営の中西眞さんの長女。

 

斎王の1年間潔斎した潔斎場が野宮神社付近にあったこともあり、過去の時代考証を専門家に依頼して忠実に斎王の再現をしたもの。

 

斎王とは、伊勢神宮、そして賀茂社に奉仕する未婚の内親王か皇女のこと。このうち伊勢神宮の斎王を斎宮、賀茂社の斎王を斎院と言い分けられている。賀茂社の斎王が402年間に約35人選出に対し、伊勢神宮には660年間に約64名が選出されている。

斎王の起源は『日本書紀』の崇仁天皇皇女豊鍬入姫命、または垂仁天皇の皇女倭姫命に求めることができる古さだが、制度として整備されたのは天武天皇の皇女大来皇女以降で南北朝の後醍醐天皇の斎宮祥子内親王まで途中様相も時代によって変わりながらも続いた。

 

この斎王行列は、斎王が伊勢神宮の神嘗祭に合わせて旅立った斎王群行を再現していて、野宮神社から竹林、JR嵯峨嵐山駅、渡月橋を通り桂川(大堰川)の禊場までの2~3Kmを歩く。

桂川に到着すると神事で、汚れを木製の人形(ひとがた)で体をさすり息を吹きかけ汚れを移す。さらには土器にも息を吹きかけ汚れを移し、桂川に流し去る。そして斎王代自ら禊場へ行き、川の水に手を浸す禊の儀がおこなれれ、御幣を持ち伊勢神宮に行われる。