企画展:嵯峨嵐山かちょうえん

 

2024年夏、嵯峨嵐山文華館が「かちょうえん(花鳥園)」に変身!?

 

2024年7月13日(土)~10月1日(火)

前期:7月13日(土)~8月26日(月)/8月28日(水)~10月1日(火)

 

 花鳥園といえば、まるで自然の中のような屋内で、放たれた鳥と自由に触れ合うことができる場所として知られています。幅広い世代の方々に親しまれている花鳥園ですが、実は「花鳥風月」など、日本の伝統的な価値観を意識して作られていることをご存じでしょうか。

 「花鳥風月」とは美しい自然の風景や風流なことを意味する言葉です。その「美」に対する思いを踏まえて、開園したのが「花鳥園」でした。一方、画家たちも古くから美しいものを絵画として表現しようと試み、花や鳥を主な題材とする「花鳥園」を描いてきました。

 本展は、共に日本の美意識を大切にする「美術館」と「花鳥園」の融合を目指した展覧会です。江戸時代から明治時代にかけて活躍した画家たちが描く、様々な鳥や美しい植物をご紹介いたします。鳳凰などの絵画でしか見ることができない想像上の鳥も必見です。絵画を見ながら鳥の鳴き声、生態、花の意味など子どもから大人まで楽しく学ぶことの出来る、夏休みにぴったりの企画展です。

 

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第1章 水辺を好む鳥たち

 

岸連山《花鳥図屏風》 19世紀 左隻 後期展示
岸連山《花鳥図屏風》 19世紀 左隻 後期展示
岸連山《花鳥図屏風》 19世紀 右隻 後期展示
岸連山《花鳥図屏風》 19世紀 右隻 後期展示

 

 

 

 日本には数多くの川が流れています。嵯峨嵐山文華館の前にも大堰川が流れており、春には桜、秋には紅葉と季節ごとに様々な景色を見せる渡月橋を背景に多くの鳥たちを観察することができます。

 

 第1章はこのような水辺に生息する鳥たちや植物を中心にご紹介するコーナーです。川辺に棲むマガモ、コサギをはじめ、嵐山の風物詩となっているウ、夏にしか見ることのできないキセキレイなど、多種多様な鳥たちの絵を展示しています。

 

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QRコードを読み込むと、絵画の中の鳥たちの鳴き声が!

 

作品解説のキャプションの中に、描かれた鳥の生態を知るパネルが用意されています。パネル内のQRコードを読み取ると、その鳥の鳴き声も聞くことができます。

ぜひチェックしながら鑑賞してみてください。

 

円山応挙《黄蜀葵鵞鳥小禽図》 1773年 通期展示
円山応挙《黄蜀葵鵞鳥小禽図》 1773年 通期展示

白鷴(ハッカン) 神戸市立王子動物園
白鷴(ハッカン) 神戸市立王子動物園
池上秀畝《黒光司》20世紀 通期展示
池上秀畝《黒光司》20世紀 通期展示

山内信一《十二ヶ月花鳥図屏風》1919年 左隻 後期展示
山内信一《十二ヶ月花鳥図屏風》1919年 左隻 後期展示
山内信一《十二ヶ月花鳥図屏風》1919年 右隻 後期展示
山内信一《十二ヶ月花鳥図屏風》1919年 右隻 後期展示

 

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第2章 小禽、猛禽、瑞鳥まで!?

 

 

望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 左隻 通期展示
望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 左隻 通期展示
望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 右隻 通期展示
望月玉渓《鳳凰図屏風》1928年 右隻 通期展示

 

 第2章では四季折々に咲く花の絵と共に、キンケイやオウムといった外来種から、ハト、スズメ、シジュウカラなど市街地でも目にすることができる留鳥、タカやワシなどの鋭い目つきが印象的な猛禽類などをご紹介いたします。

 また畳ギャラリーでは、絵画などでしか見ることができない想像上の鳥・鳳凰も展示しています。明治から昭和にかけて活躍した四条派・望月玉渓の作品である《鳳凰図屏風》では、吉兆の知らせち言われる鳳凰の尾に、ハートの形をした日本の伝統模様である猪目が左隻と右隻に色違いで描かれています。

華やかな花鳥画の数々を、120畳の空間でゆっくりと堪能してください。

 

 

福井江亭《老松鷲図》1934年 通期展示
福井江亭《老松鷲図》1934年 通期展示
今尾景年《余物百種図》1907年 通期展示
今尾景年《余物百種図》1907年 通期展示
今尾景年《巻丹錦鶏図》1870年(四幅対のうち一幅) 前期展示
今尾景年《巻丹錦鶏図》1870年(四幅対のうち一幅) 前期展示
菱田春草《春庭》19‐20世紀 後期展示
菱田春草《春庭》19‐20世紀 後期展示
今尾景年《牡丹唐山雀図》1870年(四幅対のうち一幅) 前期展示
今尾景年《牡丹唐山雀図》1870年(四幅対のうち一幅) 前期展示
長沢芦雪《喜雀図》18世紀 後期展示
長沢芦雪《喜雀図》18世紀 後期展示

 

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夏休み特別イベント企画

 

鷹匠イベント「文華館に鷹匠がやってくる!」

開催日時:7月28日(日)13:30~14:40

企画展にちなんで鷹匠をお招きし、鷹匠にまつわるお話や、実際に間近で鷹を飛ばしてもらう実演をしていただきます。

 

講演「百人一首の中の花」

開催日:9月14日(土)13:30~14:30

百人一首研究の第一人者である、同志社女子大学名誉教授・吉海直人先生が、百人一首に出てくる花について分かりやすくお話しします。

予約不要、入館料のみで聴講可能です。

 

競技かるた講座

開催日:9月22日(日)①10:15~12:15/中上級者向け講座 ②13:30~15:00/初心者向け体験講座

受講費:1,500円(入館料別)

百人一首競技かるた名人戦で史上最年少名人となり、2012年まで史上最長となる14期連続での名人位防衛を果たした西郷直樹永世名人(三島せせらぎ会所属)を講師に迎え競技かるた講座を開催します。初心者には競技かるたの楽しみ方、中上級者には上達のヒントを、受講者のレベルに合わせて分かりやすくお伝えします。

 

 

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展覧会概要

 

■企画展名 嵯峨嵐山かちょうえん

■会  期 2024年7月13日(土)~10月1日(火)

      前期:7月13日(土)~8月26日(月)

      後期:8月28日(水)~10月1日(火)

■開館時間 10:00~17:00(最終入館16:30)

■休  館 8月27日(火)、9月10日(火)、9月26日(火)

■主  催 嵯峨嵐山文華館

■後  援 京都府、京都市、京都市教育委員会、京都商工会議所

■アクセス 〒616‐8385 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11

      JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山駅」下車徒歩14分

      阪急嵐山線「嵐山駅」下車徒歩13分

      嵐電(京福電鉄)「嵐山駅」下車徒歩5分

■料  金 一般・大学生 1,000(900)円  高校生 600(500)円  小・中学生 400(350)円

      ※( )内は20名以上の団体料金

      ※障がい者と介添人1名まで各600(500)円

      ※幼児無料

      ※8月31日までは小学生無料

〈福田美術館両館共通券〉

     一般・大学生:2,300円/高校生:1,300円/小中学生:750円/障がい者と介添人1名まで:各1,300円