禅寺の茶の湯

 

 

Ⅰ期 2024年9月14日(土)~2024年11月10日(日)

Ⅱ期 2024年11月17日(日)~2025年2月2日(日)

 

 

 茶の湯の世界は、禅と深い関係があります。そのため、相国寺とその塔頭の什物にも茶の湯にまつわる作品が多く伝来しています。仏教行事の中では本尊に茶を供え、書院などで参列者に茶がふるまわれます。また、江戸時代には寺院の中に茶室が誂えられ、そこで茶会が催されました。このように、禅僧の暮らしの中に茶の湯が息づいていました。

 今回の展覧会では、国宝1件、重要文化財6件、初公開作品も含めた茶会記に載る什物や、茶道具の名品約200点を展示室でご覧ください。

 

相国寺承天閣美術館

 

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[みどころⅠ]足利義政ゆかりの寺院と茶人達の交流

 

 室町時代に東山文化を花開かせた室町幕府八代将軍足利義政の墓所は、相国寺塔頭慈照院であり、多くの茶人達と交流がありました。織田信長の弟、織田有楽斎から慈照院住職に贈られた水指、重要文化財の縁釉四足壺などは慈照院の江戸時代の茶会記に登場します。その茶会は、千宗旦に化けた狐、宗旦狐の逸話を有する茶室、頣神室で催されたものです。また義政の和歌短冊と千叟宗室が表装した作品など、義政ゆかりの寺院として近世茶人との交流をうかがえる寺宝をご覧ください。

 

 

[みどころⅡ]茶礼と茶会

 

 

 寺院には多くの建物があり、それぞれの場所で茶がふるまわれてきました。盛大な仏教儀礼では、方丈や書院で食事の場が設けられ、茶礼が行われました。その次第は書き継がれ、現代の行事に継承されました。

 また塔頭の茶室では、近しい仲間を招いて茶席が設けられました。江戸時代から現代に至るまで、相国寺や塔頭寺院の茶室では、様々な茶会が催されてきました。今回は、江戸時代、寛政年間の茶会や、現代、平成の茶会の会記に載る寺宝を重要文化財も含め多数展示いたします。

 

江天暮雪図 牧谿筆 東山御物 紀州徳川家伝来 中国・宋時代 鹿苑寺蔵
江天暮雪図 牧谿筆 東山御物 紀州徳川家伝来 中国・宋時代 鹿苑寺蔵

 

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第一章 茶の湯の名品

 

国宝 玳玻散花文天目茶碗 中国・宋時代 相国寺蔵(Ⅱ期)

金海堅手茶碗 銘藤浪 千家名物 藤田家旧蔵 李氏朝鮮時代 鹿苑寺蔵(Ⅰ期)

重要文化財 唐津鉄班文水指 桃山時代 相国寺蔵(Ⅱ期)

重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦 江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)

重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵断簡 源公忠 鎌倉時代 相国寺蔵(Ⅰ期)

足利義政真蹟 萬松 室町時代 大光明寺蔵(Ⅰ期)

 

国宝 玳玻散花文天目茶碗  中国・宋時代 相国寺蔵(Ⅱ期)
国宝 玳玻散花文天目茶碗  中国・宋時代 相国寺蔵(Ⅱ期)
重要文化財 唐津鉄班文水指  桃山時代 相国寺蔵(Ⅱ期)
重要文化財 唐津鉄班文水指  桃山時代 相国寺蔵(Ⅱ期)
重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦  江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)
重要文化財 赤楽茶碗 加賀 本阿弥光悦  江戸時代 相国寺蔵(Ⅰ期)
重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 断簡 源公忠 鎌倉時代 相国寺蔵(Ⅰ期)
重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 断簡 源公忠 鎌倉時代 相国寺蔵(Ⅰ期)

 

第二章 仏教儀礼と茶の湯

 

初公開 以酊庵宴席之式 江戸時代 慈照寺蔵

七官青磁牡丹文大香炉 中国・明時代 相国寺蔵

普明国師遠諱記念献茶道具一式 近代 相国寺蔵

 

 

第三章 寛政の茶会 慈照院頣神室

 

 

夢窓疎石墨蹟 学道如鑚火 南北朝時代 慈照院蔵(Ⅰ期)

重要文化財 縁釉四足壺 自織田有楽 贈昕叔顕晫 平安時代 慈照院蔵

初公開 宗旦狐図 江戸時代 慈照院蔵

 

重要文化財 縁釉四足壺 自織田有楽 贈昕叔顕晫  平安時代  慈照院蔵
重要文化財 縁釉四足壺 自織田有楽 贈昕叔顕晫  平安時代  慈照院蔵

 

最終章

 

松下眺望山水図 夏珪筆 東山御物 中国・宋時代 鹿苑寺蔵

足利義満墨蹟 放下便是 室町時代 相国寺蔵

大井戸茶碗 銘鹿苑 李氏朝鮮時代 鹿苑寺蔵

瀬戸黒茶碗 利休在判 桃山時代 慈照寺蔵(Ⅰ期)

唐物平手肩衝茶入 大名物 中国・宋時代 鹿苑寺蔵

蟹蓋置 大名物 室町時代/遠州信楽平形建水 江戸時代 大光明寺蔵

重要文化財 黄瀬戸大根文輪花鉦鉢 桃山時代 相国寺蔵

竹掛花入 銘早船・昔男 千利休作 極随流斎 箱書碌々斎・而妙斎 桃山時代 鹿苑寺蔵

古染付葡萄棚水指 中国・明時代 鹿苑寺蔵

菊桐棗 秀吉より京極高次拝領 顕如上人所持 本願寺名物 桃山時代 鹿苑寺蔵

竹茶杓 千利休作共筒 簡書 随流斎宗左他添 桃山時代 慈照寺蔵(Ⅰ期)

 

唐物平手肩衝茶入 大名物 中国・宋時代 鹿苑寺蔵
唐物平手肩衝茶入 大名物 中国・宋時代 鹿苑寺蔵
重要文化財 黄瀬戸大根文輪花鉦鉢  桃山時代 相国寺蔵
重要文化財 黄瀬戸大根文輪花鉦鉢  桃山時代 相国寺蔵

 

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【開催概要】

 

開催期間:Ⅰ期 2024年9月14日(土)~11月10日(日)

     Ⅱ期 2024年11月17日(日)~2025年2月2日(日)

     ※展示替休館 2024年11月11日(月)~11月16日(土)

     ※年末年始休館 2024年12月27日(金)~2025年1月5日(日)

拝  観  料:大人 800円

     シニア(65歳以上) 600円

     大学生 600円

     中高生 300円

     小学生 200円

     ※大人の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円

開館時間:10時~17時(入館は16時半まで)

主  催:相国寺承天閣美術館 京都新聞

協  賛:一般財団法人  萬年会 鹿苑寺 慈照寺

 

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【イベント】

 

 

〈記念講演会開催予定〉

※詳細はホームページをご確認ください。

 

〈講座〉「仏教儀礼の茶と茶室の茶会」

  Ⅱ期 2025年1月11日(土)14時~15時半

  場所:同館二階講堂(13時半開場)

  講師:本多潤子(同館学芸員)

 ※各回先着80名様

 

〈ギャラリートーク〉14時~14時半

  Ⅰ期 2024年10月5日(土)

  Ⅱ期 2024年12月7日(土)

  担当:本多潤子(同館学芸員)

  場所:展示室

 ※各イベントには当日の拝観券が必要です。

 

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相国寺承天閣美術館

〒602‐0898 京都市上京区今出川通烏丸東入

℡:075-241-0423

HP:https://www.shokoku-ji.jp/museum/