鬼踊りは、須磨区の毘沙門山妙法寺で1月3日行われる修正会で、1年間の五穀豊穣・無病息災を祈願する。
鬼は奥妙法寺などに住む檀家が勤めていたそうである。
太郎鬼・次郎鬼・ババ鬼(この3人を白鬼と称する)
ジカ鬼(この5人を黒鬼ともいう)
子鬼(2人) の10人の鬼。
妙法寺の「鬼踊り」は平安時代から続くといわれる古い行事で、神戸市無形民俗文化財に指定されている。
鬼は毘沙門天の使者として鬼が幸福を運んでくるという。
太鼓やほら貝の音に合わせ、本堂の縁をカエルのようにぴょんぴょん跳びながら踊ったりする特徴があり、内容は異なるが奈良吉野蔵王堂の花会式の鬼踊りとともに古風を残している。
また面はかなり古い形を残していて、室町時代の作で角がない。
鬼踊りでは、牛王杖をついた行道を行い、牛王杖は参拝の人に与えられる。この日、本尊がご開帳される。
手の持つ松明は、本堂の燈明の火を焚き火に移し、松明に移す。子鬼は花笠をかぶり、鬼が子鬼を連れて旅をしているところを表していると言われる。
鬼踊りのあとは、太郎鬼が槌で餅を割る所作をする。
その後、僧侶や鬼たちによって餅撒きが行われた。
(記事:佐伯浩道)