山王美術館 開館15周年記念展 

コレクションでつづる 

 

藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展

 

-パリを愛し、パリに魅了された画家たち-

 

2024年9月1日(日)〜2025年1月31日(金)

 

山王美術館は2024年に開館15周年を迎えます。

それを記念して開館15周年記念展は「山王美術館 コレクションでつづる 藤田嗣治・佐伯祐三・萩須高徳展」を開催されます。

15年前の開館記念展と同じタイトルを掲げた本展覧会。当時より同館の主要作家である、「藤田嗣治」、「佐伯祐三」、「荻須高徳」の新たに加わったコレクションを含む同館所蔵の作品群より選りすぐりの作品を展示されています。

藤田、佐伯、荻須の3人は時期は異なりますが、ともに東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後パリに渡り、パリを中心に活動し、独自の画風を築き上げたことに共通点が見てとれます。

展示室3フロアで構成された本展覧会は、1フロアに1作家の作品展示をすることで、より深くそれぞれの作家の生涯や画風の変遷を知ることができ、鑑賞を進めることで3人の世界観の違いを味わうことができます。また、お互いの交友関係にも注目し、同時代に生きた画家たちの関係性をより深く紹介します。

パリを愛し、パリに魅了された3人の画家たちの芸術の世界をご堪能ください。

 

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【見どころ】

 

1. 「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳」が描く三者三様のパリ風景

藤田、佐伯、荻須、ともに東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、憧れのパリへ渡った3人が描いたパリの風景画を並べて展示。それぞれの画家が、それぞれの時代に見つめた対象への眼差しや、そこから生み出された画風の違いを見比べながらご鑑賞ください。

 

2. 新コレクション16点を初展示

新たに加わった藤田嗣治9点、佐伯祐三4点、荻須高徳3点の絵画を本展覧会にて初展示いたします。

 藤田嗣治:9点 ≪パリ風景(モンパルナス風景)≫ ≪少女の顔≫ ≪マドレーヌと風車≫ほか

 佐伯祐三:4点 ≪モラン風景≫ ≪米子像≫ ≪アネモネ≫ ≪街角≫

 荻須高徳:3点 ≪ポントワーズの船着き場≫ ≪モンマルトルのサクレ・クール寺院≫ ≪タイユブール通り≫

 

3. コレクションのみによる展示構成

 

山王美術館は開業より収蔵作品のみによる展覧会を15年続けてきました。本展覧会も藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳が描いた収蔵品の中から選りすぐりの作品により、各作家の世界観をご紹介します。ここでしか会えない芸術作品の魅力を余すところなくご堪能ください。

 

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【展示構成】

 

 

序章|憧れの街、パリ

 

日本における西洋芸術の受容は江戸時代以前からすでに始まっていましたが、特にフランス芸術が意識されるようになったのは明治時代以降のことでした。明治に入り、文明開化のもと近代化=西洋化という時代の流れの中にあって、西洋美術の中心に位置するパリは芸術家たちにとって憧れの地でした。昭和初期には第一次世界大戦後の好景気を背景にパリに滞在する日本人画家は400人を超えていたとも言われています。

佐伯祐三も例外ではなく、1923年に東京美術学校を卒業すると、その後の進路をフランス行きと決め、早々に家族を連れてパリに向かいます。その当時すでにエコール・ド・パリの寵児となっていた藤田嗣治も佐伯の10年前の1913年にパリに向けて渡航しています。東京美術学校卒業の3年後のことでした。荻須高徳もまた、憧れのフランス行きを現実のものとすべく、日本へ一時帰国していた佐伯からパリでの生活についてアドバイスを受け、1927年、東京美術学校を卒業後の9月、横浜港を出帆します。

それぞれが画家として成功することを夢みて、「憧れの街、パリ」へと踏み出した一歩は、期待と希望に満ちた一歩であり、覚悟と決意の一歩でもあったことでしょう。

 

佐伯祐三≪パリの街角≫1925年、山王美術館蔵
佐伯祐三≪パリの街角≫1925年、山王美術館蔵

 

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一章|佐伯祐三 (1898~1928)

 

1898年大阪の中津の名刹の次男として生まれた佐伯祐三は、大阪府立北野中学校に入学後、赤松麟作の洋画研究所で学びます。中学卒業後は上京し、川端画学校で学んだ後、1918年、東京美術学校西洋画科(現・東京藝術大学)に入学、「なんぼでもデッサン」とつぶやきながら素描に打ち込んだと言います。ともに学ぶ仲間と同様に欧州留学を夢みていた佐伯は、同校卒業後の1923年11月、妻子を伴って憧れのパリへと出発します、1924年1月、パリに到着し、野獣派(フォーヴィズム)モーリス・ド・ヴラマンクとの衝撃的な出会いやモーリス・ユトリロの影響をうけ、石造りのパリの街並みを描く独自の画風を確立していきます。

本展覧会では2度のパリ留学時代の作品を中心に、東京美術学校入学以前に描かれた《自画像》から在学中の風景画、一時帰国の作品を含む24点の作品をおおよそ年代順に紹介します。

佐伯祐三≪自画像≫1917年頃、山王美術館蔵
佐伯祐三≪自画像≫1917年頃、山王美術館蔵
佐伯祐三≪巴里街景≫1924年、山王美術館蔵
佐伯祐三≪巴里街景≫1924年、山王美術館蔵

 

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二章|荻須高徳 (1901~1986)

 

パリを描いた画家として知られる荻須高徳は1901年、愛知県稲沢市に生まれます。東京美術学校で油彩画を学ぶと26歳の時に念願のフランスに渡ります。渡仏翌年にはサロン・ドートンヌで初入選、1930年にはパリの画廊で初個展をする等、画家として順調に歩み始めます。その後、第二次世界大戦の戦中、戦後にかけて一時帰国をした時期を除き、84歳で亡くなるまでパリを拠点に制作活動に励みます。憧れの地で荻須が魅了されたのは、観光客が憧れる華やかなパリではなく、裏街に立ち並ぶ石造りの堅牢な建物や古びて色褪せた壁、薄汚れた石畳、食料品店や雑貨屋などの雑然とした店構えでした。荻須自身、パリに暮す者として、静かな裏町の何気ない日常の情景を見つめ、建物が積み重ねた長い時間とそこに集まった人々の喜びや哀しみに思いを馳せ抒情を色濃く感じさせる作品を残しました。

「人物を描かないで、しかもその生活(ラ・ヴィ)を描きたい」との荻須の言葉通り、そこで暮らす人々の生活の匂いが染みついた風景に愛情と共感を寄せ、画業を通してそれらを描き続けた荻須の芸術の数々をどうぞご覧ください

 

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三章|藤田嗣治 (1886~1968)

 

1886年、明治の半ばに東京で生まれた藤田嗣治(レオナール・フジタ)は、世界的な画家となることを志し、東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業後、1913年に単身パリへと渡ります。1920年代には画相筆と墨による黒く細い輪郭線と、なめらかな白い肌のような質感を持つ「乳白色の下地」でエコール・ド・パリの寵児となります。しかし世界大恐慌による欧州の美術業界低迷の影響を受け、1931年にパリでの暮らしを放棄し中南米へ旅立ち、個展を開催しながら旅を続け1933年に日本へ帰国します。1939年に再びパリでの生活を始め、精力的に活動を行いますが、第二次世界大戦による戦況悪化のため、1年余りの滞在で帰国を余儀なくされます。戦後1950年にアメリカを経由しパリに再び帰還、懐かしいパリの風景や子どもを主題とした絵画を数多く描きます。

本展覧会では、パリを愛し画家としての生涯の大半をフランスで過ごした藤田の作品を「子ども」「マドレーヌ」「猫」「風景画」「祈り」の5つのテーマに分けて展示いたします。

 

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【開催概要】

 

会期

    2024年9月1日(日)〜2025年1月31日(金)

会場 山王美術館

住所 540-0001 大阪府大阪市中央区城見2丁目2番27号 Google Map

展示室 第1会場 佐伯祐三

    第2会場 荻須高徳

    第3会場 藤田嗣治

時間

    10:00〜17:00(最終入館時間 16:30)

休館日

    火曜日・水曜日・年末年始(12月29日~1月2日)

観覧料

    一般 1,300円/大学・高校生 800円

    中学生以下 500円(保護者同伴に限り2名様まで無料)

TEL 06-6942-1117

URL

【山王美術館公式ホームページ】

    http://www.hotelmonterey.co.jp/sannomuseum

URL2

【山王美術館公式ホームページ|展覧会詳細ページ】

 

    https://www.hotelmonterey.co.jp/sannomuseum/exhibition/202409a.html

 

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